曲げ加工・メーカーの選び方を解説|ベンディングロール大全

ベンディングロールの油圧シリンダから油漏れが起きる原因

目次を見る
目次

ベンディングロールの油圧シリンダから油漏れが発生すると、加圧能力の低下や加工精度の悪化につながります。本記事では、油漏れが生じる主な要因や放置するリスク、発生時の適切な対処法について分かりやすく解説します。

ベンディングロールの油圧シリンダで油漏れが発生する主な原因

パッキンやシール材の経年劣化・摩耗

ベンディングロールの油圧シリンダ内部には、作動油が外部に漏れ出さないようにするためのパッキンやシール材といった部品が組み込まれています。これらの部品はゴムや特殊な樹脂で作られていることが多く、長期間にわたって機械を使用し続けることで少しずつ経年劣化が進んでいく傾向にあります。また、ピストンが往復運動を繰り返す際の摩擦によって表面がすり減り、シリンダとの間に微小な隙間が生まれることも少なくありません。こうした物理的なダメージの蓄積や素材の硬化が進行すると、本来の密閉性を保つことが難しくなり、結果として油漏れを引き起こす要因となります。

ピストンロッドの傷や異物の付着

金属板の曲げ加工を行う現場では、金属の切粉や細かいホコリ、溶接作業に伴うスパッタなど、さまざまな異物が空気中を舞っています。これらの微小な物質が油圧シリンダのピストンロッドの表面に付着したまま稼働を続けると、ロッドがシリンダに出入りする際にシール材を傷つけてしまう可能性が高まります。さらに、ロッドそのものに深い傷が入ってしまうと、その凹凸部分から作動油が徐々に滲み出ることになりかねません。清掃が行き届いていない環境での使用は、こうした異物の噛み込みによるトラブルを招きやすくなるため、日々のメンテナンス状況が部品の寿命を大きく左右すると言えます。

油圧オイルの劣化や高圧・高温による負荷

シリンダの作動を担う油圧オイル自体が劣化している場合も、油漏れを引き起こす原因の一つとして考えられます。長期間交換されずに使い続けられた作動油は、粘度が低下したり内部にスラッジと呼ばれる不純物が蓄積したりするため、シリンダ内部の部品に余計な負担をかけることになります。くわえて、連続稼働や無理な曲げ加工によって油圧システムに過度な高圧がかかったり、それに伴い油温が異常に上昇したりすると、シール材が熱によって変形してしまうことも珍しくありません。推奨される環境や条件の範囲外で機械を酷使することは、結果的に油圧シリンダの寿命を縮め、漏油のリスクを高めることにつながります。

油圧シリンダの油漏れを放置することで生じるリスク

加圧力不足による曲げ精度や真円度の低下

油圧シリンダから作動油が漏れ続けている状態をそのままにしておくと、ロールを押し付けるために必要な圧力を一定に保つことが困難になります。加圧力が不安定になると、ベンディングロールの要である金属板への押し込み具合がブレてしまい、製品の曲げ精度が著しく低下する懸念があります。とくに円筒曲げの工程においては、均一な圧力がかからないことで期待される真円度が出ず、後工程での溶接や組み立て作業に大きな支障をきたす可能性が否定できません。加工不良の発生率が上がれば歩留まりの悪化を招き、結果として製造コストの増加や納期の遅れといった深刻な問題へと発展する恐れがあります。

漏油による滑り事故や周辺設備の二次トラブル

油漏れによって生じる問題は、加工精度の低下といった機械的なトラブルだけにとどまりません。漏れ出した作動油が機械の周辺や床面に広がることで、作業員が足を滑らせて転倒する労働災害を引き起こすリスクが高まります。また、周囲に配置されている他の精密機器や電気系統の配線に油が付着すると、ショートや誤作動などの二次的な故障を誘発する要因にもなります。さらに、油汚れが放置された環境は引火の危険性を伴うため、火災などの重大な事故につながる懸念も拭いきれません。作業現場の安全と清潔を保つためにも、油漏れは見過ごしてはならない重要なサインと言えるでしょう。

油漏れが発生した際の適切な対処法と修理手順

即時作業停止と漏れ箇所の特定・安全確保

稼働中に油圧シリンダからの油漏れを発見した場合は、何よりも先にベンディングロールの運転を直ちに停止させることが大切です。機械の電源を落として油圧ポンプの作動を止め、システム内の圧力を完全に解放することで、これ以上の漏油や油の噴出を防ぐ必要があります。安全が確保できたことを確認した上で、シリンダの継手部分やピストンロッドの根元など、具体的にどこから油が滲み出ているのかを慎重に特定していきます。このとき、漏れた油を丁寧に拭き取って周辺を清潔にしておくと、微細な亀裂やシール材の破損といった根本的な原因をより正確に把握しやすくなります。

パッキン交換やメーカー・専門業者への修理手配

漏れの原因が単なる配管の緩みであれば締め直しで改善することもありますが、パッキンやシール材の劣化が疑われる場合は、対象となる部品の交換作業が必要となります。自社に油圧機器の知識を持った保全スタッフがいる環境であれば、マニュアルに沿って消耗品を交換することで対応できるケースもあります。しかし、シリンダ内部に深い傷が確認されたり、オーバーホールが必要と判断されたりした場合は、無理に自社で修理を行わず、機械のメーカーや専門の修理業者へ依頼することが賢明です。プロの技術によって適切なメンテナンスを受けることが、ベンディングロールを安全かつ長く使い続けるための確実な選択肢となります。

まとめ

ベンディングロールの油圧シリンダから発生する油漏れは、パッキンの経年劣化や異物の付着、作動油の劣化など、複数の要因が絡み合って引き起こされます。こうしたトラブルを放置してしまうと、加工精度の低下による不良品の発生だけでなく、作業現場の安全性をも脅かす二次的な事故につながりかねません。異常を発見した際には直ちに機械を停止して安全を確保し、状況に応じて適切な部品交換や専門業者への修理依頼を行うことが求められます。日頃から設備周りの清掃を心がけ、定期的な点検や作動油の管理を徹底することによって、ベンディングロールの安定した稼働と高品質な加工を維持していくことができるでしょう。

ベンディングロールメーカー一覧を
見る

【板厚・加工目的で選ぶ】
ベンディングロール
メーカー3選
 

曲げ加工は、板厚・材質・曲げ形状によって、ロール構成や駆動方式、制御性能に求められる仕様が異なります。そのため、ベンディングロールの導入では、加工する板の厚みや形状など、曲げたい部品に応じて選定することがポイントです。ここでは、加工対象別に3つのメーカーをご紹介しています。

〜2.3mmの板厚
仕上がりの美しさが
求められる部品
例えば、こんな部品に
装飾金属品
薄板製のダクト
デザイン筐体
小型タンク

マツモト機械

マツモト機械公式HP
引用元:マツモト機械公式HP(https://www.mac-wels.co.jp/web_exhibition/metal_process_mac_roll.html)
おすすめの理由
薄板の端曲げなど
繊細な加工も安定

小型製品の加工に適した80mm〜100mmのロール径です。油圧式による安定した加圧制御で圧力調整がしやすく、押し傷や曲げムラを抑えて外観品質の高い成形が行えます。

ワークへの傷を防ぐ
ウレタンロール

下ロールにウレタンを使用しており、柔らかな表面でワークに傷がつくのを防ぎます。特にステンレスなど、傷が目立ちやすい薄板素材を扱う加工におすすめです

〜75mmの板厚
曲げが複数ある部品
例えば、こんな部品に
円錐タンク
圧力容器
トンネル部材
洋上風力部品

大同マシナリー

大同マシナリー公式HP
引用元:大同マシナリー公式HP(http://www.dm-daido.co.jp/product/machine_equipment/)
おすすめの理由
高度なCNC自動制御で
複雑な曲げを自動化

熟練の技を再現する高度なCNC自動制御により、円錐や多段曲げなどの複雑な形状も自動化。作業者のスキルに依存せず、常に均一で高精度な仕上がりを維持し、生産効率の大幅な向上に貢献します。

     
たわみ補正と端部精度で
多段曲げもズレを低減
     

特許取得のワーク接触方式とインバータ制御、さらにロールたわみ補正機能が、多段曲げでも端部のズレを抑えます。圧倒的な寸法精度と真円度を一発で実現し、手直しや再加工の工数を激減させます。

〜300mmの板厚
高強度の特大部品
例えば、こんな部品に
船体基礎構造
大型支持架台
高圧ボイラー

DAVI

DAVI公式HP
引用元HP:DAVI公式HP(https://www.davi.com/jp/jp/mav-3rorukebianzhou)
おすすめの理由
大型プレート対応の
駆動システム

DAVIの3ロール式可変軸ロールベンダーは、大型・高負荷に対応する複数ギアの駆動システムを搭載。重い負荷をかけても安定した動作が可能で、300mmの特大サイズの部品も加工できます。

高強度が要求される
素材に対応

頑丈なフレーム構造により、大型・特注形状のプレートや高強度鋼板にも対応可能。高い耐久性が求められる石油・ガス業界での導入実績もあり、高強度な金属部品の加工ニーズに応えます。

※参照元:大同マシナリー公式HP【PDF】(http://www.dm-daido.co.jp/english/pdf/machine_equipment04.pdf
曲げたい部品別 ベンディングロールメーカー3選
板厚・目的別
ベンディングロール
メーカー3