長年使ってきたベンディングロールを、いつまで使い続けてよいのか。設備更新の検討では避けて通れない問いですが、明確な答えを示した情報は多くありません。本記事では、制度上の耐用年数と実際の使用実態、そして更新を検討すべき兆候を整理します。
結論からいえば、ベンディングロールに「何年で寿命」という決まった年数はありません。判断のよりどころになるものは2つあり、ひとつが税務上の区分である法定耐用年数、もうひとつが実際に稼働させられる期間、いわゆる物理的な寿命です。
この2つは一致しません。法定耐用年数は資産を費用配分するための年数であって、使用限界を示すものではないためです。メーカーも自社製品の寿命を公表することはまれですから、更新の判断軸は導入する側が持っておく必要があります。
減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第二は、機械及び装置の耐用年数を「設備の種類」ごとに定めていますが、この設備の種類は機械の名称ではなく、その設備を使う業種で区分されています※1。ベンディングロールという機械名で耐用年数が引けるわけではない、ということです。
別表第二を見ると、金属製品製造業用設備のうち「その他の設備」は10年、はん用機械器具製造業用設備は12年、生産用機械器具製造業用設備のうち「その他の設備」は12年(金属加工機械製造設備は9年)と定められています※1。同一の機械を導入しても、自社がどの業種に区分されるかで年数が変わります。
国税庁は、法定耐用年数を「使用可能期間に当たるものとして」財務省令の別表に定められた年数と説明しています※2。あくまで税務上の取り扱いを定めるための年数であり、その年数を過ぎたから使えなくなるという性質のものではありません。なお、自社の設備がどの区分に当たるかの判断や償却の実務については、税理士など専門家にご確認ください。
日本機械工業連合会が実施した生産設備保有期間の調査では、回答総台数228,636台のうち「10年以上」経過した設備が62.4%、「5年未満」の設備は20.2%という結果が出ています※3。金属工作機械や第二次金属加工機械などを対象にした調査で、ベンディングロールもこの範囲に含まれる設備です。
先に挙げた法定耐用年数が10年前後であることを踏まえると、制度上の年数を超えて稼働している設備が多数を占めていることになります。適切に保全すれば長く使えるのが金属加工機械であり、年数の経過だけを理由に更新を判断する必要はありません。
一方で、同じ調査では設備投資の目的として「設備更新(維持、補修)」が82.9%、「能力増強」が79.7%と、いずれも8割前後を占めています※3。長く使える設備であっても、回答した企業の8割前後は更新や能力増強を目的に投資しているということです。年数ではなく、次に挙げる状態の変化を判断材料にするのが現実的でしょう。
ロール表面の清掃や加圧条件の見直しを行っても真円度や寸法が安定しなくなった場合は、ロールや軸受の摩耗が進んでいる可能性があります。対策を尽くしても再発するようであれば更新の検討時期です。
製造終了から年数が経った機種では、交換部品の供給が終わっていることがあります。部品が手に入らなければ、故障した時点で生産が止まります。稼働に問題がないうちにメーカーへ部品供給の見通しを確認しておくと、更新計画を前倒しで立てられます。
年に何度も修理が発生する状態が続くと、修理費の累計が更新費用に近づいていくことがあります。修理のたびに生産が止まる時間も含めて考えると、負担は金額以上です。
受注する製品の板厚や材質が変わり、現有機の能力では通せなくなるケースもあります。この場合は機械が劣化したわけではなく、要求水準のほうが動いています。
古い機種では、非常停止装置やセンサーによる侵入検知といった安全機能が現在の水準に達していないことがあります。安全面の要求は年々厳しくなるため、更新の検討材料になります。
兆候がまだ限定的であれば、計画的な保全で稼働期間を延ばす選択が有効です。日常点検と定期点検を組み合わせて異常を早期に見つけられる体制があるかどうかが分かれ目になります。
予算を抑えて更新したい場合は中古機という選択肢もありますが、前オーナーの使用状況やメンテナンス履歴によって残りの稼働期間は大きく変わります。部品供給の見通しもあわせて確認が必要です。
前掲の調査で、直近3年以内に設備投資の計画がある企業が機械選定で重視する項目を尋ねたところ、価格83.5%、精度63.2%、アフターサービス44.3%、信頼性37.1%、効率性36.8%という結果でした※3。価格に次いで精度とアフターサービスが挙がっている点は、長く使う設備ならではの傾向といえます。
ベンディングロールの耐用年数は、税務上の区分としては業種ごとに定められていますが、それは使用限界を示す年数ではありません。実際、前掲の調査では10年以上経過した設備が6割を超えていました※3。
更新すべきかどうかは、年数ではなく精度の再現性・部品供給・修理費の累積・要求仕様の変化・安全水準という5つの状態から判断するのが現実的です。更新に踏み切る場合は、自社の加工条件に合う能力を備えた機種を選ぶことが次の課題になります。
曲げ加工は、板厚・材質・曲げ形状によって、ロール構成や駆動方式、制御性能に求められる仕様が異なります。そのため、ベンディングロールの導入では、加工する板の厚みや形状など、曲げたい部品に応じて選定することがポイントです。ここでは、加工対象別に3つのメーカーをご紹介しています。

小型製品の加工に適した80mm〜100mmのロール径です。油圧式による安定した加圧制御で圧力調整がしやすく、押し傷や曲げムラを抑えて外観品質の高い成形が行えます。
下ロールにウレタンを使用しており、柔らかな表面でワークに傷がつくのを防ぎます。特にステンレスなど、傷が目立ちやすい薄板素材を扱う加工におすすめです。

熟練の技を再現する高度なCNC自動制御により、円錐や多段曲げなどの複雑な形状も自動化。作業者のスキルに依存せず、常に均一で高精度な仕上がりを維持し、生産効率の大幅な向上に貢献します。
特許取得のワーク接触方式※とインバータ制御、さらにロールたわみ補正機能が、多段曲げでも端部のズレを抑えます。圧倒的な寸法精度と真円度を一発で実現し、手直しや再加工の工数を激減させます。

DAVIの3ロール式可変軸ロールベンダーは、大型・高負荷に対応する複数ギアの駆動システムを搭載。重い負荷をかけても安定した動作が可能で、300mmの特大サイズの部品も加工できます。
頑丈なフレーム構造により、大型・特注形状のプレートや高強度鋼板にも対応可能。高い耐久性が求められる石油・ガス業界での導入実績もあり、高強度な金属部品の加工ニーズに応えます。