3本ロールは、三角形状に配置された3本のロールで板材を支持し、ロールの位置や加圧量を調整しながら曲げ加工を行います。
板材を一度で目的の形状にするのではなく、ロールの間を往復させながら曲げ量を徐々に増やしていくのが基本です。材質、板厚、板幅、曲げ径などに合わせてロール位置を調整することで、さまざまな曲げ形状に対応できます。
3本ロールの代表的な種類について紹介します。なお、同じ分類でも構造や加工能力はメーカー・機種によって異なります。「3本ロール」という名称だけで判断せず、端曲げ方法やロール駆動方式、制御機能まで確認することが重要です。
3本のロールを三角形状に配置した比較的シンプルな構造です。汎用性がある一方、機種によっては板材の端部に曲げ切れない直線部分が残りやすく、別工程での予備曲げが必要になる場合があります。
左右のロール位置を調整し、板材の両端を本機上で端曲げできる方式です。板材の持ち替えや別設備での予備曲げを減らしやすい点が特徴です。
ロール間隔や位置を加工条件に合わせて変更できる方式です。板厚や曲げ径に応じてロール位置を調整できるため、厚板や多様な加工条件に対応しやすくなります。
材質、板厚、板幅などに合わせてロール位置や加圧量を調整できるため、円筒曲げをはじめ、機種によっては円錐曲げや多段曲げなどにも対応できます。加工条件が一定でない多品種加工にも適しています。
3本ロールには、ロール間隔を調整できる機種や高い圧下力を備えた機種があり、厚板や大径ワークの加工に用いられています。ただし、対応できる板厚・板幅・曲げ径は機種ごとに異なるため、仕様表の確認が必要です。
ワーク表面の傷は、ロールの材質や表面状態、送り速度、異物の付着、加工中のスリップなどに左右されます。ウレタンロールや上下ロールの速度制御など、傷の発生を抑えるための仕様を備えた機種もあります。
ピラミッド型など一部の3本ロールでは、構造上、板材の端部に直線部分が残りやすくなります。その場合は、別のプレス機で予備曲げを行う、または本機上で端曲げに対応できる機種を選ぶといった対策が必要です。
手動でロール位置や加圧量を調整する機種では、材料の特性やスプリングバックを見ながら加工する必要があります。そのため、真円度や寸法精度を安定させるには経験が求められ、加工条件が作業者ごとに異なる属人化が起こることがあります。
薄板・大径ワークや重量のある鋼板は、加工中に自重で変形することがあります。機種本体の能力だけでなく、ワークサポート、搬入出設備、クレーン作業、安全対策を含めて検討することが重要です。
機種を比較する際は、少なくとも次の条件を整理しておくと、加工可否や必要な仕様を判断しやすくなります。
| 現場で起こりやすい課題 | 確認したい機能 |
|---|---|
| 端部に直線部分が残る | 本機上での端曲げ機能、送り量測定 |
| 作業者によって仕上がりが異なる | CNC、加工プログラムの保存・再現 |
| 特殊形状の加工が属人化している | 手動操作を記録・再現する機能 |
| スリップ傷や送り量のずれが生じる | 上下ロールの速度制御、ワーク送り量の測定 |
| 板幅方向で曲げRに差が出る | ロールのたわみ補正、バックアップロール |
| 大径ワークが自重で変形する | ワークサポート、搬入出テーブル |
こうした機能の有無は、加工品質だけでなく、段取り時間や技能継承、補正・再加工の負担にも関わります。
3本ロールと4本ロールは、単純にロールの本数だけで優劣が決まるものではありません。加工する板材、求める形状、生産量、作業者の技能などによって適した方式が異なります。
| 比較項目 | 3本ロール | 4本ロール |
|---|---|---|
| 基本構造 | 3本のロールで板材を支持し、ロール位置を調整して曲げる | 上下ロールで板材を挟み、左右のロールで曲げる |
| 端曲げ | 構造によって性能差が大きい。端曲げに対応する機種もある | 板材を保持した状態で端曲げを行いやすい |
| 操作性 | 手動機では経験が必要。CNC機では自動化・再現が可能 | 板材を保持しやすく、連続加工や自動化に適した機種が多い |
| 得意な加工 | 厚板、大径、複雑形状、多様な加工条件 | 繰り返し加工、量産、作業工程の自動化 |
| 選定時の注意 | ロール移動方式、端曲げ方法、駆動・制御機能を確認 | 設置スペース、設備価格、必要な生産能力を確認 |
3本ロールでも、CNC、送り量測定、ロール速度制御、たわみ補正などを備えた機種があります。反対に、4本ロールであっても、加工能力や自動化の範囲は機種ごとに異なります。ロール本数だけでなく、必要な加工精度や生産工程に合う機能があるかを確認しましょう。
「端曲げの手間を減らし、自動化したいなら4本ロール」と言われることも多いですが、4本ロール機は構造が複雑で「導入コストが非常に高額になる」「機械が大型化する」というデメリットもあります。
「汎用性が高く扱いやすい3本ロールのメリットはそのままに、端曲げや自動化の課題だけを解消したい」——そんな現場のニーズに応えるべく、CNC技術や独自メカニズムによって3本ロールの弱点をカバーする機能を搭載した機種を開発するメーカーもあります。自社が扱う「板厚・スケール」に合わせて、おすすめベンディングロールメーカーを紹介します。
3本ロールには、端曲げに手間がかかる、手動調整が難しい、加工条件が作業者の経験に左右されやすいといった課題があります。また、超厚板や高強度材を加工する場合は、十分な駆動力と剛性を備えた機種が必要です。
こうした課題を解決する機種として、加工する板厚と目的に応じて大同マシナリーとDAVI(ダヴィ)の機種を紹介します。
| 比較項目 | 大同マシナリー「BSシリーズ」 | DAVI「MAVシリーズ」 |
|---|---|---|
| 選定の目安 | 中~厚板(~75mm)× 自動化・高精度 | 超厚板(~300mm)× 超大型部品 |
| 公式掲載の板厚範囲 | 端曲げ9~75mm、中央曲げ11~78mm | 20~300mm |
| 公式掲載の板幅範囲 | 3,000~5,000mm | 1,500~6,000mm |
| 主な機構・制御 | CNC、ワーク送り量測定、たわみ補正、ティーチングプレイバック | 3本ロール可変軸、全ロール駆動、可変軸間距離、iRoll制御 |
| 向いている課題 | 端曲げ、真円度、複雑形状の自動化、技能継承 | 超厚板、高強度材、大径・大型ワーク、重工業向け部品 |
※板厚・板幅は各社公式サイト・カタログの掲載範囲です。実際の加工可否は、材質、板幅、曲げ径、降伏点、端曲げ条件などによって変わります。
3本ロールの弱点である端曲げや手動調整を、CNC制御とワーク接触方式で克服。熟練工に頼らずボタン一つで高精度な曲げ加工を実現します。国内メーカーならではの手厚いサポート体制も魅力です。
材質、板厚、材長、板幅、曲げ内径を入力すると、曲げ加工の動作プログラムが生成されます。生成されたプログラムは部分的に修正できるため、材料特性や加工結果に合わせた調整も可能です。加工条件をプログラム化することで、経験の浅い作業者でも同じ手順を再現しやすくなります。
ワーク接触方式のメジャーリングロールで送り量を測定し、上下ロールの位置をリニアセンサーで監視します。端曲げや真円度に関わる送り位置・ロール位置を把握しやすくし、加工精度の安定に寄与します。
ティーチングプレイバック機能により、手動操作を記録して機械に再現させることができます。自動計算が難しい特殊形状の加工や、熟練作業者の加工手順を引き継ぎたい場合に有効です。
上下ロールの回転をベクトルインバーターで制御し、内径側と外径側の送り速度差を調整します。また、上ロールのたわみに応じて下ロールを逆反りさせることで、板幅全体で均一な曲げRを得られるよう補正します。
大同マシナリーは、機械設備の開発・製作に加え、保守・検査、現地機械加工、設備改善などのメンテナンス事業を展開しています。導入後の保守や設備改善まで国内メーカーに相談したい場合も、候補にしやすいでしょう。
| 項目 | 公式カタログ掲載範囲 |
|---|---|
| ロール数 | 3本 |
| 制御方式 | CNC |
| 板幅 | 3,000~5,000mm |
| 端曲げ板厚 | 9~75mm |
| 中央曲げ板厚 | 11~78mm |
| 上ロール径 | 330~1,060mm |
| 曲げ内径 | 550~2,600mm |
| 円錐曲げ | コーンローリングアタッチメントを用意 |
※材質はJIS SS400相当で計算した標準機の参考値です。型式、材質、板幅、曲げ径、オプションなどによって実際の加工能力は異なります。
大型プラントやインフラ、造船など、75mmを超えるような超厚板や高強度材の3本ロール加工が必要な場合は、世界トップクラスの駆動パワーと堅牢性を誇るDAVIが有力な選択肢となります。
上ロールが垂直方向、左右のロールが水平方向に移動する可変軸構造を採用しています。下側ロール間の距離を変えることで、小径曲げから、より大きな曲げ力を必要とする厚板加工まで条件に合わせて調整できます。
上ロールと左右のロールをすべて駆動する「All-Rolls-Drive」を標準採用しています。各ロールからトルクを伝え、負荷の大きい端曲げ工程でも板材のスリップを抑える設計です。
3本のロールを傾斜できる構造により、円錐形状にも対応します。圧力容器、エネルギー設備、風力タワーのほか、造船、石油・ガス、鉱山・建設機械など、厚板・大型部品を扱う分野で検討しやすい機種です。
| 項目 | 公式サイト掲載範囲・内容 |
|---|---|
| ロール数 | 3本 |
| 構造 | 可変軸式(上ロール垂直移動、左右ロール水平移動) |
| 板厚 | 20~300mm |
| 板幅 | 1,500~6,000mm |
| 駆動方式 | All-Rolls-Drive(3本すべてを駆動) |
| 制御システム | iRoll Easy、iRoll Performance |
| 円錐曲げ | 3本のロールを傾斜可能 |
※実際の加工能力は、材質、板幅、曲げ径、降伏点、機種構成などによって異なります。
板厚の数値だけで決めず、材質、板幅、曲げ内径、加工形状、数量、求める精度を各メーカーへ伝え、加工可否と必要な仕様を確認しましょう。
曲げ加工は、板厚・材質・曲げ形状によって、ロール構成や駆動方式、制御性能に求められる仕様が異なります。そのため、ベンディングロールの導入では、加工する板の厚みや形状など、曲げたい部品に応じて選定することがポイントです。ここでは、加工対象別に3つのメーカーをご紹介しています。

小型製品の加工に適した80mm〜100mmのロール径です。油圧式による安定した加圧制御で圧力調整がしやすく、押し傷や曲げムラを抑えて外観品質の高い成形が行えます。
下ロールにウレタンを使用しており、柔らかな表面でワークに傷がつくのを防ぎます。特にステンレスなど、傷が目立ちやすい薄板素材を扱う加工におすすめです。

熟練の技を再現する高度なCNC自動制御により、円錐や多段曲げなどの複雑な形状も自動化。作業者のスキルに依存せず、常に均一で高精度な仕上がりを維持し、生産効率の大幅な向上に貢献します。
特許取得のワーク接触方式※とインバータ制御、さらにロールたわみ補正機能が、多段曲げでも端部のズレを抑えます。圧倒的な寸法精度と真円度を一発で実現し、手直しや再加工の工数を激減させます。

DAVIの3ロール式可変軸ロールベンダーは、大型・高負荷に対応する複数ギアの駆動システムを搭載。重い負荷をかけても安定した動作が可能で、300mmの特大サイズの部品も加工できます。
頑丈なフレーム構造により、大型・特注形状のプレートや高強度鋼板にも対応可能。高い耐久性が求められる石油・ガス業界での導入実績もあり、高強度な金属部品の加工ニーズに応えます。