曲げ加工・メーカーの選び方を解説|ベンディングロール大全

ベンディングロールのクラウニングとは?

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ベンディングロールで長尺物を曲げる際、中央部が膨らんだり精度が出なかったりすることはありませんか。その原因はロールの「たわみにあると考えられます。本記事では、加工精度を左右するクラウニングの仕組みや種類、適切な対策について分かりやすく解説していきます。

ベンディングロールにおけるクラウニングの役割と必要性

ロールの「たわみ」が加工精度に与える影響

金属の板材を曲げる際、ベンディングロールのロール部分には非常に大きな加重がかかります。特に長尺のワークや厚みのある硬い素材を加工する場合、加圧によってロールの中央部がわずかに外側へしなる「たわみ」という現象が避けられません。このたわみが起きると、端の部分に比べて中央部の加圧力が弱まってしまうため、板材全体を均一に曲げることが難しくなるのです。その結果、円筒状に曲げたつもりが中央部だけ膨らんでしまう「胴膨れ」などの加工不良を引き起こす原因につながります。製品の品質を保つためには、この物理的なしなりをいかにコントロールするかが重要な課題と言えるでしょう。

クラウニングによる均一な加圧の実現

上記で挙げたロールのたわみ問題を解決するために用いられるのが、クラウニングと呼ばれる技術です。クラウニングとは、あらかじめロールの中央部の径をわずかに太くなるよう樽状に加工しておくことや、その膨らみを持たせる調整機能のことを指します。ロールが加圧によってたわむ量を事前に計算し、その分だけ形状を補正しておくという仕組みを採用しているのが特徴と言えます。これにより、実際に素材へ強い圧力がかかってロールがしなった際、結果的にロール全体が直線状を保てるようになるのです。端から中央まで板材全体に均一な圧力を加えられる効果があり、真円度の高い美しい曲げ加工を実現するための有効なアプローチとなります。

クラウニングの主な種類と適切な選び方

初期形状による固定クラウニング

一つ目は、製作段階でロール自体の中央部をあらかじめ太く削り出しておく固定式のクラウニング加工です。この方法は構造がシンプルであり、特定の板厚や材質、長さをメインに量産加工する現場において非常に有効な手段として知られています。あらかじめ設定された条件での加工であれば、安定して高い精度の曲げを実現できるでしょう。一方で、想定していた仕様とは大きく異なる薄板や厚板、あるいは材質の異なるワークを加工しようとした場合、あらかじめ設けられた膨らみの補正量が合わなくなってしまう傾向があります。そのため、多品種少量生産を行う現場よりも、決まった規格の製品を継続的に製造する用途に向いている方式です。

バックアップロールや油圧による調整機能

二つ目は、加工するワークに合わせて膨らみを変化させられる可変式のクラウニング機構です。近年の多機能なベンディングロールには、メインのロールを下から支えるバックアップロールの位置を調整したり、油圧によってロールを内部から押し広げたりする機能を持つ機種が増えてきました。この機能を利用することで、加工する板厚や材質、長さに応じて、その都度最適なたわみ補正を行うことが可能になります。条件が変わっても柔軟に対応できるため、多様なオーダーに応える金属加工の現場で重宝される技術と言えるでしょう。初期投資は固定式に比べて高額になりがちですが、長期的な視点で見ると加工不良を減らし、幅広い製品に対応できるメリットをもたらしてくれます。

まとめ

ベンディングロールを用いた曲げ加工において、クラウニングは仕上がりの真円度や寸法精度を大きく左右する重要なポイントです。ロールのたわみという避けられない物理現象を正しく理解し、加工条件に合わせた適切な対策を講じることで、不良率の低減や品質の安定化が期待できるでしょう。導入を検討する際は、自社の加工ニーズが固定仕様に向いているのか、それとも柔軟な調整機能を必要としているのかを見極めることが大切になります。目的に適したクラウニング方式を備えた機械を選定し、より精度の高い安定した曲げ加工を目指してみてはいかがでしょうか。

【曲げたい部品別】
ベンディングロール
メーカー3選
 

曲げ加工は、板厚・材質・曲げ形状によって、ロール構成や駆動方式、制御性能に求められる仕様が異なります。そのため、ベンディングロールの導入では、加工する板の厚みや形状など、曲げたい部品に応じて選定することがポイントです。ここでは、加工対象別に3つのメーカーをご紹介しています。

〜2.3mmの板厚
仕上がりの美しさが
求められる部品
例えば、こんな部品に
装飾金属品
薄板製のダクト
デザイン筐体
小型タンク

マツモト機械

マツモト機械公式HP
引用元:マツモト機械公式HP(https://www.mac-wels.co.jp/web_exhibition/metal_process_mac_roll.html)
おすすめの理由
薄板の端曲げなど
繊細な加工も安定

小型製品の加工に適した80mm〜100mmのロール径です。油圧式による安定した加圧制御で圧力調整がしやすく、押し傷や曲げムラを抑えて外観品質の高い成形が行えます。

ワークへの傷を防ぐ
ウレタンロール

下ロールにウレタンを使用しており、柔らかな表面でワークに傷がつくのを防ぎます。特にステンレスなど、傷が目立ちやすい薄板素材を扱う加工におすすめです

〜75mmの板厚
曲げが複数ある部品
例えば、こんな部品に
円錐タンク
圧力容器
トンネル部材
洋上風力部品

大同マシナリー

大同マシナリー公式HP
引用元:大同マシナリー公式HP(http://www.dm-daido.co.jp/product/machine_equipment/)
おすすめの理由
複雑な曲げ加工の
「自動化」を実現

CNC制御に加えて手動操作を再現する機能を搭載し、円錐曲げや多段曲げなどの複雑な形状も、自動運転で加工が可能。作業者の熟練度に左右されず、品質の安定化と作業効率の向上に貢献します。

多段曲げでも
端部までズレない仕上がり

インバータ制御と特許取得のワーク接触方式により、多段曲げでもズレやたわみを抑え、端部の寸法精度と真円度を正確にコントロール。補正や再加工の手間が減り、工数を大きく削減します。

〜300mmの板厚
高強度の特大部品
例えば、こんな部品に
船体基礎構造
大型支持架台
高圧ボイラー

DAVI

DAVI公式HP
引用元HP:DAVI公式HP(https://www.davi.com/jp/jp/mav-3rorukebianzhou)
おすすめの理由
大型プレート対応の
駆動システム

DAVIの3ロール式可変軸ロールベンダーは、大型・高負荷に対応する複数ギアの駆動システムを搭載。重い負荷をかけても安定した動作が可能で、300mmの特大サイズの部品も加工できます。

高強度が要求される
素材に対応

頑丈なフレーム構造により、大型・特注形状のプレートや高強度鋼板にも対応可能。高い耐久性が求められる石油・ガス業界での導入実績もあり、高強度な金属部品の加工ニーズに応えます。

※参照元:大同マシナリー公式HP【PDF】(http://www.dm-daido.co.jp/english/pdf/machine_equipment04.pdf
曲げたい部品別 ベンディングロールメーカー3選
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