曲げ加工・メーカーの選び方を解説|ベンディングロール大全

ベンディングロールのスリップの原因と予防

目次を見る
目次

曲げ加工で起こるスリップとは?

スリップとは、曲げ加工中に板金素材がうまく送られず滑ってしまう現象のことです。スリップが起こると、曲げ加工の精度が低下。特に段階的な曲げを行う場合は、誤差が蓄積して品質が低下するので要注意です。

また、Rのズレや形状不良などを起こさないよう作業者の負担が増えたり、無理な押し込みや再加工で板金素材が傷ついたりしてしまいます。このためスリップが起こらないよう、適切な圧力の設定やロール材質の確認など、対策をしっかり行うことが大切です。

ベンディングロールでスリップが
生まれる理由

ロールの加圧不足

まず考えられるのが、ロールの加圧不足です。ベンディングロールは上下のロールで板金素材を加圧して抑え、送り込みながら加工をする仕組みです。このためロールが素材を十分に抑えられていないと、スリップが生じます。加圧不足は油圧不良や設定ミスなどによって生じるので、よく確認することが大切です。

ロール表面の汚れや損傷

ロール表面に油分や粉じん、保護フィルムの残りなどが付着していると、ロールと板材の接触面の摩擦力が低下してしまいます。摩擦力の低下はスリップの原因になるので気をつけましょう。特に、表面がツルツルした素材の場合は影響が大きいため要注意。長年の使用で摩耗し、ロール表面が滑りやすくなっている場合は取り替えを検討してください。

板材の表面状態や厚みによる
滑りやすさの違い

ベンディングロールで高精度な加工をするためには、板材の厚さや加工内容に合わせたロールを使用することが大切です。ロールが適切でないと、板材をしっかり掴めずどんなに回転させても空回りしてしまったり、たわみやすくなったりしてしまうので注意しましょう。

スリップの対策法

適切な加圧力の設定

特に有効なのが、加圧力を適切に設定することです。ロール加工では、加圧力が弱すぎるとスリップし、強すぎると板金素材にキズや曲がりなどが生じます。板料の厚みや幅、材質、ロールの大きさなどに応じて圧力を設定しましょう。

職人の勘や経験に頼りすぎず、適正圧力のデータやチェックリストなどを使用するようにすれば、安定した加工が可能になります。

ロール表面の定期清掃で摩擦力を
維持する

ベンディングロールでは、加圧によって生じた摩擦力により、板材を送り込んで加工します。このためロール表面に異物の付着や汚れがあると摩擦力が低下しスリップが生じてしまいます。

摩擦力を維持するためには、定期的にクリーニングを行い摩擦力を保つことが大切。ロール自体に錆びや傷がついている場合は、表面の再加工・張替えなども検討してください。

板材の表面状態を改善する

加圧力やロール表面に問題がなくても、板材自体が滑りやすいとスリップが生じます。具体的には、板材に油分・グリス・加工潤滑剤が残っている場合、表面が鏡面・光沢仕上げで摩擦が少ない場合、保護フィルムなどが貼ってある場合、結露や水分が付着している場合などです。

まずは油分やグリス、保護フィルムなどを除去しましょう。あえて表面に粗さをつけて摩擦力を高めるのも一つの手段です。

曲げ加工の工程を見直す

曲げ加工の工程や手順を見直すのもおすすめです。例えば、一度に大きな加工をしようとするとスリップしやすくなるため、目標の形状まで徐々に加工を行ったり、スリップしにくくなるようにロールの位置や角度を調整してみましょう。板材を固定するために、部分的なストッパーやガイドを使ってみるのもおすすめです。

ロールの材質を確認する

ベンディングロールに使用されるロールは、鉄製のものとウレタン製のものがあります。近年はウレタンが主流ですが、焼き入れされた鉄芯のロールはアルミ材質の加工に多く用いられています。

ロールの材質によって硬さや摩擦係数が異なるため、導入時やメンテナンス時に加工材料に合わせて確認を行ってみてください。

まとめ

ベンディングロールで加工時にスリップが発生すると、正確な曲げ加工ができず、製品の品質に影響が出てしまいます。スリップが生じる原因はさまざまなので、よく確認した上で適切な対策を取ってください。CNCベンディングロールの中には、スリップ防止機能を備えた機種もあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

【曲げたい部品別】
ベンディングロール
メーカー3選
 

曲げ加工は、板厚・材質・曲げ形状によって、ロール構成や駆動方式、制御性能に求められる仕様が異なります。そのため、ベンディングロールの導入では、加工する板の厚みや形状など、曲げたい部品に応じて選定することがポイントです。ここでは、加工対象別に3つのメーカーをご紹介しています。

〜2.3mmの板厚
仕上がりの美しさが
求められる部品
例えば、こんな部品に
装飾金属品
薄板製のダクト
デザイン筐体
小型タンク

マツモト機械

マツモト機械公式HP
引用元:マツモト機械公式HP(https://www.mac-wels.co.jp/web_exhibition/metal_process_mac_roll.html)
おすすめの理由
薄板の端曲げなど
繊細な加工も安定

小型製品の加工に適した80mm〜100mmのロール径です。油圧式による安定した加圧制御で圧力調整がしやすく、押し傷や曲げムラを抑えて外観品質の高い成形が行えます。

ワークへの傷を防ぐ
ウレタンロール

下ロールにウレタンを使用しており、柔らかな表面でワークに傷がつくのを防ぎます。特にステンレスなど、傷が目立ちやすい薄板素材を扱う加工におすすめです

〜75mmの板厚
曲げが複数ある部品
例えば、こんな部品に
円錐タンク
圧力容器
トンネル部材
洋上風力部品

大同マシナリー

大同マシナリー公式HP
引用元:大同マシナリー公式HP(http://www.dm-daido.co.jp/product/machine_equipment/)
おすすめの理由
複雑な曲げ加工の
「自動化」を実現

CNC制御に加えて手動操作を再現する機能を搭載し、円錐曲げや多段曲げなどの複雑な形状も、自動運転で加工が可能。作業者の熟練度に左右されず、品質の安定化と作業効率の向上に貢献します。

多段曲げでも
端部までズレない仕上がり

インバータ制御と特許取得のワーク接触方式により、多段曲げでもズレやたわみを抑え、端部の寸法精度と真円度を正確にコントロール。補正や再加工の手間が減り、工数を大きく削減します。

〜300mmの板厚
高強度の特大部品
例えば、こんな部品に
船体基礎構造
大型支持架台
高圧ボイラー

DAVI

DAVI公式HP
引用元HP:DAVI公式HP(https://www.davi.com/jp/jp/mav-3rorukebianzhou)
おすすめの理由
大型プレート対応の
駆動システム

DAVIの3ロール式可変軸ロールベンダーは、大型・高負荷に対応する複数ギアの駆動システムを搭載。重い負荷をかけても安定した動作が可能で、300mmの特大サイズの部品も加工できます。

高強度が要求される
素材に対応

頑丈なフレーム構造により、大型・特注形状のプレートや高強度鋼板にも対応可能。高い耐久性が求められる石油・ガス業界での導入実績もあり、高強度な金属部品の加工ニーズに応えます。

※参照元:大同マシナリー公式HP【PDF】(http://www.dm-daido.co.jp/english/pdf/machine_equipment04.pdf
曲げたい部品別 ベンディングロールメーカー3選
曲げたい部品別
ベンディングロール
メーカー3