現代の橋梁建築、とりわけ優美な景観を作り出すアーチ橋や吊り橋の主塔などには、デザイン性だけでなく構造力学の観点からも多くの曲線形状が採用されています。こうした巨大なR(アール)形状を鉄で再現するためには、ベンディングロールによる連続的な曲げ加工が必要不可欠です。複数の板を継ぎ合わせる溶接加工と比較して、一枚の板を曲げて成形する方法は、溶接の継ぎ目を最小限に抑えることができるため、構造物としての強度を保ちやすくなるという大きなメリットがあります。また、継ぎ目が少ないことは錆びや劣化のリスク低減にもつながり、長期的なメンテナンスコストを抑える効果も期待できるのです。
橋梁は数十年、場合によっては百年以上も利用される社会インフラであるため、極めて高い耐久性と安全性が求められます。その結果、使用される鋼板は一般的な建築物よりも非常に厚く、かつ硬い素材が選定されることがほとんどです。一般的なプレス機による曲げ加工では、金型の制約があったり、送り回数が増えて工数がかさんだりする課題がありますが、ベンディングロールであれば話は別です。厚みのある鋼板であっても、ローラーの強力な圧力によって均一かつ高精度な円筒やなめらかな曲面を効率よく作り出すことが可能となります。このように、厚板を安定して加工できる点は、橋梁建設において他に代えがたい利点と言えるでしょう。
橋梁に使われる部材は一つひとつのスケールが非常に大きく、数メートルに及ぶ幅の鋼板を一度に加工しなければならないケースも珍しくありません。そのため、導入するマシン本体には巨大なロールを備えていることはもちろん、厚板からの強烈な反発力に負けないだけの圧倒的な剛性と加圧能力が求められます。中途半端なスペックでは板が十分に曲がらないばかりか、機械自体が負荷に耐え切れず破損する恐れもあるのです。したがって、この分野では一般的に、非常に高いトルクを持つ3本ロールや4本ロールの大型特注機が選定される傾向にあり、マシン自体の重量も数百トンクラスになることが多々あります。
近年の橋梁プロジェクトでは、橋全体の軽量化と高強度化を両立させる目的で、高張力鋼、いわゆるハイテン材の使用頻度が急速に高まっています。ハイテン材は硬く粘り強いため、加工時に素材が元の形に戻ろうとする「スプリングバック」現象が大きく発生し、成形の難易度が非常に高いのが特徴です。そのため、スプリングバック量を見越した正確な制御機能や、傷つきにくい特殊なロール材質、さらには可変形状に柔軟に対応できるような上位機種の機能が、現代の橋梁加工には必須の条件となっています。最新のベンディングロールには、こうした難加工材を想定したNC制御システムが搭載されているものが増えています。
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橋梁建築におけるベンディングロールは、単に鉄を曲げるという加工作業を超え、巨大インフラの安全性とデザインを具現化するための極めて重要な役割を担っています。極厚かつ長尺の高張力鋼を正確にコントロールできるマシンの選定は、工期の短縮はもちろん、最終的な橋の品質向上に直結する要素です。プロジェクトの規模や素材の特性に合わせて、最適なスペックのマシンを慎重に検討することが、建設プロジェクト成功の鍵と言えるでしょう。
曲げ加工は、板厚・材質・曲げ形状によって、ロール構成や駆動方式、制御性能に求められる仕様が異なります。そのため、ベンディングロールの導入では、加工する板の厚みや形状など、曲げたい部品に応じて選定することがポイントです。ここでは、加工対象別に3つのメーカーをご紹介しています。

小型製品の加工に適した80mm〜100mmのロール径です。油圧式による安定した加圧制御で圧力調整がしやすく、押し傷や曲げムラを抑えて外観品質の高い成形が行えます。
下ロールにウレタンを使用しており、柔らかな表面でワークに傷がつくのを防ぎます。特にステンレスなど、傷が目立ちやすい薄板素材を扱う加工におすすめです。

CNC制御に加えて手動操作を再現する機能を搭載し、円錐曲げや多段曲げなどの複雑な形状も、自動運転で加工が可能。作業者の熟練度に左右されず、品質の安定化と作業効率の向上に貢献します。
インバータ制御と特許取得のワーク接触方式※により、多段曲げでもズレやたわみを抑え、端部の寸法精度と真円度を正確にコントロール。補正や再加工の手間が減り、工数を大きく削減します。

DAVIの3ロール式可変軸ロールベンダーは、大型・高負荷に対応する複数ギアの駆動システムを搭載。重い負荷をかけても安定した動作が可能で、300mmの特大サイズの部品も加工できます。
頑丈なフレーム構造により、大型・特注形状のプレートや高強度鋼板にも対応可能。高い耐久性が求められる石油・ガス業界での導入実績もあり、高強度な金属部品の加工ニーズに応えます。